読み物
珍しいかな文字|ゐ・ゑ・ゟ・ゝなど今は使わない文字
更新日:2026年10月19日
ひらがなとカタカナは、ふだん何気なく使っている文字です。でも、その中には、今ではほとんど使われなくなった文字や、ちょっと変わった形の文字もあります。お店の看板や古い本、商品の名前などで見かけて、「これは何と読むの?」と思ったことがある人もいるかもしれません。このページでは、珍しいかな文字の読み方と由来を紹介します。
ゐ・ゑ(ヰ・ヱ)
「ゐ」は「い」、「ゑ」は「え」と読みます。カタカナでは「ヰ」「ヱ」と書きます。もともとは「い」「え」とは少しちがう音(「ウィ」「ウェ」に近い音)を表す文字でしたが、時代とともに発音の区別がなくなり、戦後の「現代かなづかい」で、ふだんの文章では使わないことになりました。
今でも、古い時代から続く会社名や商品名、お店の名前などで見かけることがあります。昔ながらの雰囲気を出したいときに、あえて使われることもあります。
ゝ・ゞ(ヽ・ヾ)
「ゝ」と「ゞ」は、直前のひらがなを繰り返すための記号です。たとえば「こゝろ」は「こころ」、「みすゞ」は「みすず」と読みます。カタカナでは「ヽ」「ヾ」を使います。漢字の繰り返しに使う「々」と同じような役割です。
昔の文章や人の名前で見かけることがあります。また、顔文字の中で、手や汗の形として使われることもあります。記号の読み方は記号の読み方と出し方一覧でも紹介しています。
ゟ(より)
「ゟ」は、「よ」と「り」を1文字にまとめた文字で、「より」と読みます。昔の手紙で、差出人の名前の後に「〇〇ゟ」と書いて「〇〇より」という意味を表すのに使われました。2つの文字を1つにまとめた文字を「合字(ごうじ)」といいます。
カタカナにも、「コ」と「ト」を合わせた「ヿ(こと)」という合字があります。
ヷ・ヸ・ヹ・ヺ
「ワ」「ヰ」「ヱ」「ヲ」に濁点を付けた文字で、「ヴァ」「ヴィ」「ヴェ」「ヴォ」に近い音を表します。外国語の「V」の音を書き表すために使われたことがありましたが、今では「ヴァ」のように書くのが一般的です。
変体仮名
今のひらがなは、1つの音に1つの形と決まっていますが、明治時代の半ばごろまでは、同じ音を表すのにいくつもの形の文字が使われていました。今のひらがなとは別の漢字をもとにした、こうした文字を「変体仮名(へんたいがな)」といいます。
変体仮名は、今でもお蕎麦屋さんや和菓子屋さんの看板などで見かけることがあります。2017年には、世界の文字をまとめた規格Unicodeにも変体仮名が登録され、パソコンやスマホでも扱えるようになりました。ちなみに、昭和の女子学生の間で流行した「変体少女文字」という呼び名は、この「変体仮名」をもじったものだといわれています。
小さい「ゕ」「ゖ」
「ヵ」「ヶ」はよく見かけますが、ひらがなの小さい「ゕ」「ゖ」もあります。「一ヶ月」の「ヶ」は、実はカタカナの「ケ」ではなく、「箇」という漢字の略字が由来だという説もあります。小さい文字の打ち方は小さい文字の打ち方で紹介しています。
文字で遊ぶなら
珍しいかな文字は、使い方しだいで、文章にレトロな雰囲気や特別感を出してくれます。平成のギャル文字も、カタカナや記号、珍しい文字を組み合わせて、ひらがなを新しい形に作り変える遊びでした。ギャル文字変換で、いつもの文章を変身させてみてください。