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絵文字の歴史|日本のケータイから世界の「emoji」へ

更新日:2026年10月20日

今では世界中の人が、メッセージやSNSで毎日のように絵文字を使っています。英語でもそのまま「emoji」と呼ばれるこの文字は、実は日本の携帯電話から生まれました。このページでは、日本の絵文字が世界の「emoji」になるまでの歴史を紹介します。

はじまりはiモードの176文字

1999年、NTTドコモは携帯電話でインターネットやメールが使える「iモード」を始めました。このとき用意されたのが、晴れや雨などの天気、ハート、乗り物、顔の表情などを小さな絵で表した絵文字です。最初の絵文字は176種類で、ドコモのiモード開発チームの一員だった栗田穣崇さんがデザインしました。

当時の携帯電話の画面は小さく、1通のメールに書ける文字数にも限りがありました。そんな中で、たった1文字で気持ちや様子を伝えられる絵文字は、とても便利な道具でした。くわしくはガラケーのメール文化を振り返るでも紹介しています。

携帯会社ごとにちがう絵文字

絵文字が人気になると、ほかの携帯会社もそれぞれ独自の絵文字を用意するようになりました。ただ、会社ごとに絵文字の種類や番号がちがっていたため、別の会社の携帯にメールを送ると、絵文字が「〓」などの記号に化けたり、別の絵文字に置き換わったりすることがよくありました。

そのため、相手の携帯会社を気にしながら絵文字を選んだり、どの携帯でも表示できる顔文字や記号を使ったりする工夫が生まれました。記号で文章を飾る文化は、キラキラ文字のような飾り方として今も残っています。

世界共通の文字へ

やがて海外のスマートフォンが日本でも発売されるようになると、日本の利用者のために、スマートフォンでも絵文字が使えるようにする必要が出てきました。そこで、世界中の文字を統一した番号で管理する規格「Unicode(ユニコード)」に、絵文字を正式な文字として登録する取り組みが進められます。

2010年に公開されたUnicodeの新しい版で、日本の携帯電話の絵文字をもとにした多くの絵文字が登録されました。これによって、絵文字は特定の会社や国のものではなく、世界中のどの機種でも使える「文字」になったのです。その後、スマートフォンの標準のキーボードに絵文字が入ったことで、日本以外の国でも一気に広まりました。

美術館にも収蔵された絵文字

2016年には、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が、ドコモの最初の176種類の絵文字をコレクションに加えました。小さな画面の中で気持ちを伝えるためにデザインされた絵文字が、デザインの歴史に残る作品として認められたのです。

また、2015年にはイギリスのオックスフォード辞典が、「うれし泣きの顔」の絵文字をその年を代表する「言葉」に選んで話題になりました。文字や単語ではなく絵文字が選ばれたことは、絵文字が世界中で言葉と同じように使われていることを示す出来事でした。

絵文字は今も増え続けている

Unicodeには、毎年のように新しい絵文字が追加されています。肌の色を選べる絵文字や、さまざまな家族の形を表す絵文字、世界各地の食べ物や文化を表す絵文字など、より多くの人が自分を表現できるように種類が広がってきました。

一方で、同じ絵文字でも、スマートフォンの機種やアプリによってデザインが少しずつちがうことがあります。自分では笑顔のつもりで送った絵文字が、相手の画面では少しちがう表情に見えることもあるので、大事なメッセージでは言葉もしっかり添えると安心です。

絵文字・顔文字・スタンプのちがい

絵文字は、Unicodeに登録された「文字」なので、文章の中に普通の文字と同じように入れられます。顔文字は、記号や文字を組み合わせて表情を作ったもので、日本で独自に発達しました。スタンプは、メッセージアプリの中で送る大きなイラストです。それぞれの移り変わりは顔文字・絵文字・スタンプ|気持ちを伝える道具の移り変わりで紹介しています。